絶対に自分ではやらない確実に時間の無駄に分類されるゲームの動画をYouTubeで見るのが趣味なんですけど。
そんな中で最近知った対人型ソーシャルゲームに『WAR OF BRAINS』というのがあります。
ブログ表題の通り、2018年にサービスは終了しているのですが、僕はここ最近で一からルールを覚えて、YouTubeの対戦動画をたくさん見ました。積まれた漫画も小説も関係性も放置して、『WAR OF BRAINS』の「戦略」を日々「勉強」してます。多分今の僕ならけっこう強いデッキ組めると思う。既にサービス終了しているのですが……
この場末のソーシャルゲームがエモい。
『WAR OF BRAINS』はデジタルカードゲームというジャンルで、有名なところで言うと『Shadowverse』や『ハースストーン』の親戚です。
カード並べて攻撃して相手のライフ0にしたら勝ちのやつ。
特筆すべきこのゲームの面白い点として、強いカードを出す度にゲーム内BGMが変化するという演出があります。
要するにカード専用のテーマソングが個別に設定されているわけで、こういうの『東方project』のオタクなので大好きなんですよね。レミリア・スカーレットが『亡き王女の為のセプテット』背負ってるみたいなの、超いいじゃん。
そしてこのBGMの全てが滅茶苦茶いい……
携わっている人々が、僕の名前を知ってるところでも、t+pazoliteさん(グルコスでおなじみ)とか、分島花音さん(アニメタイアップでおなじみ)とか、削除さん(Twitterの白いアイコンでおなじみ)とか、Kotokoさん(さくらんぼキッス)とか、いるんですよ。音楽に極振りしたデジタルカードゲームだな。
このBGMが切り替わる瞬間の演出が、まずエモい。
動画をご覧下さい。
見ましたか?
まあ今すぐ見なくても後で見てくれればいいから……出先とかかもしれないし……
キャラクターの登場ボイスが入ってからBGMが流れだすのいいよね……
これ、BGM単体で聞いた時に物足りなくなるやつでしょ。
CAUTION! CAUTION!→『霊知の太陽信仰~Nuclear_Fusion』みたいな
「あなたが、コンティニュー出来ないのさ!」→『U.N.オーエンは彼女なのか?』みたいな
「じごくで もえて しまえば いい」→『Megalovania』みたいな
オンミョーン→シロナのテーマみたいな
「北斗ッ!有情破顔拳」→『戦闘』(テレッテー)みたいな
「どうせ一夜限りの幻だろう?」→『Light colors』(プリズムヲー)みたいな
「これで決めるぜェ」→『crosswise』(オーモーイーガー)みたいな
白き羽根は潔白の証明。黒き羽根は原罪の咎。我ら神の代理となりて罪を裁き刑を執行する者なり!結審、瞬きの間に…。全ての罪に、断罪を!!……貴方の罪を、引き受けます→『碧羅の天へ誘えど』(アオニソマルマデー)みたいな
『Grand symphony』→「我々鉄壁のチームワークに嫉妬しているのだな」みたいな
「今日を素敵な記念日にしましょう…」→『Black shout』みたいな
「『Caravan』だ。僕が合図を出す」→『Caravan』みたいな
アイタイ
イマカラ
シスラナ
テ ハイ→I god'd chaild この腐敗した…みたいな
どうにか一つは伝わってほしくて必死になっています。
こういう演出マジで好きなので、Twitterもツイートする瞬間に演出流れて欲しい。僕が本気のツイートをする時だけに「もう終わりにしよう…」のカットインが入って、久石譲の『One summer's day』(『千と千尋の神隠し』より)が流れる。
あまりにも気に入ったので、曲だけでも買おうかなと思ってAmazonを見たのですが、
サントラの価格が約七千円でした。高すぎる。
しかも在庫が残り四点しかない。
iTune storeでも売ってないし、Amazon musicにもありませんでした。
つまりAmazonの在庫がなくなったら、これらの音楽はYouTubeにアップロードされた残骸を遺して失われます。初音ミクさんを忘れないでください。とか言ってる場合じゃないんだよ。今ここに、失われそうなミュージックがある。
ところで、幾つかカードを紹介してもいいですか? カードゲームに疎くても、かなりエモいものがあります。
まずこちら。
永遠の蜃気楼 ペリドット
効果:「mirage in august」を残し、タイムトラベルする。
理解できますか? 解説します。
まず「タイムトラベル」というのは、ゲームの独自効果の通称ではなく(敵の攻撃を防ぐ効果を「ブロッカー」と表記したり、すぐに攻撃できる効果を「速攻」と表記したりするのとは、違うということ)、このカードだけに用いられた専用表現になっています。
つまり永遠の蜃気楼ペリドットは「タイムトラベルという名称のゲーム効果」を発動する訳ではなく、マジでタイムトラベルするんですよ。時間旅行です。タイムトラベルとは時間旅行という意味です。永遠の蜃気楼ペリドットはマジでタイムトラベルします。
そして「『mirage in august』を残して」という意味深なテキスト。そういう名前のトークンカードをフィールドに残していくのかな? とカードゲームのオタクなら想像するはずです。
ですがこの「mirage in august」というのは、永遠の蜃気楼ペリドットの専用BGMの名称です。
つまりこのカードのテキストに書かれているのは、「音楽のみを残して時間旅行をする」ということなんですよ。意味不明ですが、そういうことです。「mirage in august」を残し、タイムトラベルするカードが、永遠の蜃気楼ペリドットなんですよ。
「mirage in august」を残し、タイムトラベルする。
このテキストが、あまりにも美しい。
ツイートしたかったけど、誰もわからないのでやりませんでした。
別のカードを見ます。
慟哭のジル・クライハート
効果 運命を選択する。
運命を選択するって何?
当然「運命」という通称の効果はゲームに存在せず、慟哭のジル・クライハートのみに用いられる表現なので、コイツもマジで「運命を選択」してるんですよね。運命を選択するカードとしか言いようがない。
(比較画像:レミリア・スカーレット 運命を操る程度の能力)
僕は一度も運命を選択したことはなく、何も考えずに流されていたらこんな人生になっていたのですが。慟哭のジル・クライハートは運命を選択するんですよ。
運命を選択する。
エモい。
慟哭のジル・クライハートになりたい。
エモいテキストのカードはこの二つくらいなのですが、かっこいいですよね。男子こういうの好きそう。ていうか男子、汗くさ……
そして、絶望の使徒 イム
イムシリーズは、他にも希望の使徒イム、転生の福音・ラストイム、がいます。どれもKOFシリーズで言うところのオロチとか禍忌みたいなオタク好みのかっこよさがある。KOFをやったことはない。
効果の通り、条件を満たすと変身します。
変身した姿がこちら。
セカンドチェンジ・イム・ネオに震えろ。
当たり前のように書かれている「素数」というテキスト、恐らくカードゲームで採用してるのは『WAR OF BRAINS』くらいのものでしょう。偶数でも奇数でもなく、素数なんですよ。
なんで素数なの!? エモいからいいじゃん。了解!
そしてサービス終了している事実により、複数の文脈を背負って滅茶苦茶エモいカードがあります。
守銭踊女 ダンシング・アリス
かわいい。
別にテキストがエモいわけでは無く、効果もどうでもいいので割愛するのですが。
ダンシング・アリスは、当ソーシャルゲーム最後に発売されたパックに収録されたカードです。
このカードが発表された時には、既に運営からサービス終了の告知が出ていたらしく、少数の熱心なプレイヤーは静かに涙したとか。当事者ではないので知りませんが。
このダンシング・アリスの何がエモいかと言うと、BGMなんですよ。YouTubeの動画を貼ります。
Best VGM 745 WAR OF BRAINS Blaze of Starlight - a Respectable Showtime / 守銭踊女 ダンシング・アリス
作曲 t+pazoliteさん(ホント好き…)歌 伊波杏樹さんの『a Respectable Showtime』というこの歌。
サビの歌詞を書き出します。
走り抜いて でもしおらしく
ドヤっとキメる私のFantasy
目つぶんないで! 劇場は最高潮
カーテンコールにはまだ早いでしょ?
これ;;
最後の最後まで、サービスが終わるその一瞬まで、みんなで走り抜けよう(でもしおらしく……)目はつむっちゃダメ。今が一番楽しい時間。カーテンコールには、まだ早いんだから。最後まで、笑顔で。
この場末のソーシャルゲームへの愛が、いっぱいに溢れてる……;;
こんなにエモい歌詞ある?
みなさんが好きなBUMP OF CHICKENの『K』だって、作り話ですからね。実際に週末の大通りを黒猫が歩いていたということもなければ、彼のスケッチブックがほとんど黒ずくめということもありません。ていうかジョジョ一部で「LUCK」の剣にPを足して「PLUCK」の剣にしたパクリ? みたいな。ごめん、言いすぎた……
BUMP OF CHICKENの悪口が言いたかった訳ではなく、こっちは本当にソーシャルゲームが終了するという話なんですよ。
ソーシャルゲームが終了するからこそ、カーテンコールにはまだ早いでしょ。の背負う文脈が、重みが、暖かみが、ヤバい。
当事者だったら泣いてたかもしれない。
フルバージョンでは、最後に「カーテンコールでは喝采の拍手を」という歌詞でこの歌は締められます。
ニコニコ動画で言うところの、
8888888888888
8888888888 8888888888888
弾幕薄いよなにやってんの 8888888888
88888888888888888 ちと目から汗が……
じゃん。
僕も思わず童心に帰って、最高のゲームだった。おまいら、いい祭りだったな!などとコメントしてしまうかもしれません。「おまいら」をインターネットで使った過去はありませんが…
こういう歌本当にズルいと思う。
タイトルの『a Respectable Showtime』もいいよね……「アリス」と語呂を掛けた、小さな「a」が大切なんですよね。天才じゃん。いつからそのタイトルを考えていたんですか? やっぱり思いついた時には舌なめずりで手帳にメモしたんですか?
t+pazoliteさんの曲の多くは、Amazon Musicで聴けるのでよろしくお願いします。
とにかく僕が伝えたかったのは、一生披露する機会もなければ誰とも分かち合えない無益なコンテンツに費やした時間は、場末のインターネットブログという形であれ、どうにか昇華しないと報われないということなんですよ。
マジで時間を返して欲しい。
そもそもこのゲームの存在を当時知っていたとして、絶対にやらないんですよね。ゲームと言えば、ガルパとスーファミの『風来のシレン』しかやらないので。
しょうもないゲームの動画見るの、もう本当に止めたいです。
百合漫画読んでアニメ見てTwitter見てガルパして意味不明なゲームの動画見て終わる俺の人生(カーテンコールにはまだ早い)