おいしいそうなケーキ

「おいしそう」にしたつもりが「おいしいそう」だった

インターネットに初めて泣かされた話

 

 

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  女子高生漫画家かおす先生こと萌田薫子さんが、何らかの不幸に直面した時に、諦めたように暗い言葉を饒舌に並べるのが好きです。

  ちなみに、これは関係ない導入文です。

 

 

 

 

  インターネットで泣いたこと、ありますか?

 

  『消しゴムをくれた女子を好きになった』を読んだ時、とかではなく、もっとこっ酷く、悪意を持って泣かされた経験

  僕はあります。聞いてほしい。

 

    僕がインターネットに初めて泣かされたのは小学3年生(?)もしくは2年生の時でした。

  当時の僕は『イルカの子ディロのぼうけん』という本を読んで純粋な涙を流す、本当に心優しい天童だったのですが、インターネットは当時から邪悪でした。だから怖くて泣かされてしまいました。

 

 

イルカの子ディロのぼうけん

イルカの子ディロのぼうけん

 

  悲しい話だったと思います。本を読んで泣くのが恥ずかしいので、炬燵に隠れて泣いていたのを覚えています。



 

 

  それはある夏祭りの前だったと記憶しています。

  僕はインターネットで、ゲームの攻略サイトを探していました。『ゼルダの伝説 時のオカリナ』です。

 

 

ゼルダの伝説 時のオカリナ

ゼルダの伝説 時のオカリナ

 

他の記事でも触れていますが、本当に好きだった。

 

ゼルダの伝説 時のオカリナ』  、面白いんですよ。ハート3つBボタンZボタン禁止縛りまでは達成した覚えがあります。

  この当時から愛用している、オススメの攻略サイトがあるのでurlを貼ります。

 

ゼルダの伝説 時のオカリナ 攻略大宝庫』

http://zelda.daihouko.net/oka/

 

  『ゼルダの伝説 時のオカリナ』の攻略に役立てて下さい。

 

 

『ぜるりんぱR』

http://www.geocities.co.jp/Playtown-Toys/9941/01000zel-top.htm

 

  こちらは本当に悲しいのですが、今は閉鎖してしまったゼル伝関係の大好きな二次創作サイトです。

  たしかに去年までは存在していたのですが、今はもうないのです。

  トップ画面に残された、笑顔の「またね」が、まるで小学生の放課後みたいで、「インターネットの最後ってこんな感じなのかな」としみじみ思ってしまいます。

 

 

『ねぇっすの任天丼』

http://gusyabou.sakura.ne.jp

 

  少し変わって、『MOTHER』系の二次創作が主のサイト。まだ存在しています。お盆になる度に、爆死した、あるいは世代交代したゲーム機の墓を参りに行く、というネタが定番となっています。

 

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  最後の「お盆」更新は2011年の3DS。あまりゲームに明るくないのですが、3DSって爆死なんですか?

 

  当時から二次創作に理解のあるオタクだったので、このあとに『東方Project』に嵌り込むのは当然の成り行きです。

 

 

  ………と、無限に思い出話が出来てしまうくらいに、インターネットにはたくさん楽しいサイトがあり(あった)僕はとにかく掘り進んでいました。

 

  その足取り軽やかに、怖いものを知りません。愛と平和がインターネットの全てと信じて疑いませんでした。

 

   その日も、インターネットの奥地へと着実に進んでいきます。

 

  しかしインターネットは入口こそ明るいのですが、歩を進めるにつれて段々と薄暗くなってきます。そのことに気が付かない僕は、勇ましい行進を続けます。

  気がついた時にはもう遅いのです。

 小学生に見えない透明の毒蛇は、既に足元でとぐろを巻いていたのですから。

 

 

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一記事一回はシャロちゃんの画像を貼るよう心がけているのですが、回を重ねる毎に画像の挿入に脈絡がなくなっています。今回も脈絡はありません。

 

 

  深いインターネットの暗がりで、僕はを発見します。いや、壺ではあるのですが、でした。掲示です。

 

  インターネットにある掲示板といえばアレのことです。幸いなことに「あやしいねっと」ではありません。2ちゃんねるです。

 

  当時の僕に備わっている2ちゃんねるの知識といえば、電車男と、面白フラッシュ倉庫で見る、AAのキャラクターたちです。

 

  僕は何故か「さいたま」がお気に入りで、友達のYちゃんにひたすら「さいたま」と言い続けていたのですが、

「『さいたま』ってずっと言ってると、『さいたま』しか言えなくなるよ。私の従兄弟も『さいたま』しか言えなくなって入院してる

と大嘘をつかれて怯えました。それ以来、今に至るまで「さいたま」について言及したことはありません。

 

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(参考画像:さいたま)

 

 

  しかし今思うと、友達のYちゃんは最悪の嘘つきでした。「私、あんたの事が嫌いだから」と常に僕に向かって言っていて、卒業式では「やっと離れられてせいせいする」とまで言われています。今ではメンタルを病んで自殺してしまったのですが、それでも遺書の最初の一言は、「オタクくんのことが、ずっと好きだった」ですからね。本当に最悪の嘘つきです。この段落のエピソードは全部嘘ですが。

 

  話を戻すと、僕が2ちゃんねるを見たのは、この小学生の夏祭り前が初めてです。

    感想としては「意外とAA少ないな」です。

 

  この時に読んだスレの内容は全く記憶にありません。そのあとの印象が強すぎて、全部消滅してしまいました。恐らく「エロパロ」を読んでいたわけでは無いと思う。

 

 

  

  さて、掲示板の退屈なスクロールを繰り返すうちに、僕の目はある長々としたレスに止まりました。

  文脈の中で、不自然なくらい長いレス。

  止まるはずのない場所で"止まらされる"悪意。

  そう、アレです。

  「このレスを見た人は死にます」です。

 

  それは典型的な不幸の手紙メソッドで、「これを見たら一週間後に死ぬ(!)よ。でも同じ文面を五つのスレに書いたら助かるよ」という内容でした。

  僕も知識としては、こういう下らない戯言があると知っていて、「あんなの嘘じゃん」と子供心に思っていたのですが、現実としてそこにある「不幸のレス」は、僕の「嘘じゃん」を揺るがすインパクトがありました。

 

   「死にます」って……「不幸になる」とかじゃないのかよ。ヤバイ。それは予想してなかった。

  多分「不幸になる」くらいだったら、曖昧だし面倒臭がりな性分なので、別にいいよと思うのですが、「死ぬ」って、回避しないとダメじゃん、と思いました。

 

  しかも加えて恐ろしいことに、命令に従わなかったがために死んだ、犠牲者の名前が羅列されているのです。

  冷静に考えて、「犠牲者の名前をなんで知ってるんですかっ」で終わりですが、小学生の僕は「犠牲者の名前が書いてある。これってよりによってホントじゃん」という思考回路でした。

 

  それなので、自分の命惜しさに、違うスレに同じ文面を投稿しようとします。

  コピー&ペーストも知らずにインターネットをやっていますから、当然一から手入力です。また、タイピング速度も今の比ではなく遅いので、三行打つのに十分とかかります。

  それだけなら、時間さえあればいつか達成出来そうなものですが、最悪なことに、小学生には読めない漢字があって詰みました。

  犠牲者の名前羅列部分の、三人目の名前が全然読めないのです。

   その瞬間の感情は「え、ヤバい。死ぬじゃん」でした。なかなか早く「」とリアルに接触した人間だと自負しています。

  頭が真っ白になって、焦ります。胸の奥から熱い絶望がこみ上げてきて、肺のあたりを圧迫する感覚は今でも思い出せます。

 

  とにかく、もう全然読めないけど、マグレの変換でこの漢字出てこい!とガムシャラに変換キーを連打しているところに、お母さんが「夏祭りに行くよ」と声をかけに来て、僕は母の顔を見て泣きました。

  それから10年後に、センター試験で最悪の結果を叩き出して、僕はもう一度母の顔を見て泣くのですが、その話は今しなくていい。

 

   泣き腫らした目で神輿を担ぎに行ったため、友達から心配されました。まさか「インターネットに泣かされて…」と説明するのも恥ずかしいので、黙っていましたが。

  屋台の塩辛い焼きそばを食べながら、僕はインターネットへの復讐を、祭囃子に誓うのでした。

 

 

 

________________

 

  それから一週間後、当然ですが僕は生きていました。かなり嬉しかったです。

  そうやって日々、インターネットの経験値を積んで、今ではTwitter

 

 

  嘘かホントか分からない、実際のところホントだと思う話を書き連ねているのですから、歳を重ねるっていいことですね。

いいこと。

 

 

  正気か?

  インターネットに詳しくなって、ヨボになって、何がいいことだよ。脳・オメデタ野郎が。

 

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 そんな訳で、僕はインターネットが嫌いです。

  あれ以来、インターネットが一つも信じられなくなりました。

  それが現実にも波及して、人間不信に陥りました。

  結果的にメンタルを病んで自殺してしまいました。

  遺書の1行目には「インターネットが僕を殺した」と恨みがましく書いてあります。

 

 

  だけど不思議なことに、その遺書の最後には「ありがとう」が書いてあるのです。

 

  縦読みすると、「インターネット大好きだよ」のメッセージが浮かび上がります。

  ブラックライトで照らすと、「インターネットに出会えてよかった」と読めます。

  炙り出しで、「インターネット、最高!」と出てきます。

 

  Twitterに会社の悪口を書いて、いいねをもらって笑顔になっていました。

  フォロワーのアイコンと一緒に暮らす夢を見たことがありました。

  はてなブログをみんなに読んでもらって、照れくさくて枕に顔をうずめていました。

  インターネットの誰かは、僕のことを全部受け止めてくれる気がしたのです。

 

  僕はインターネットに、救われていたんだ。

 

 

  最悪の嘘つきはYちゃんじゃなくて、僕なんだよ。

  早く死ななければ

 

 

 

 

 

僕が2ちゃんねるを捨てた理由 (扶桑社新書 54)

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